前の1件 | -
はやぶさからのメッセージ [先端技術]
2010年6月13日 60億キロに及ぶ、はるか旅路を終えてはやぶさは帰ってきた。
7年間と言う長い年月を掛けて、その任務を全うした。
数々のトラブルに見舞われながらも、最後まで決して諦めなかったはやぶさチームの努力と、その高い先進のテクノロジーとの融合。
それは、日本人の忘れかけた何かを思い起こさせるに、十分な結果をもたらしたのではないだろうか。
その最後の瞬間は、ある種の儚さを携えたものであった。
フィクションではよく目にするシーンが、そこには現実のものとして存在した。
輝きを帯びながら、無数の火の粉を散らしながらも次第に燃え尽きてゆくその様は、終焉に向けての旅立ちを思わせる。
この世からの別れとも言うべきその姿は、心通った対象であれば生命如何にかかわらず、無常ともいうべきやるせない感情を抱かせる。
発射されたカプセルと供に、その光景は日本人、いや世界の人々の胸を打ったのではないだろうか?
「人はパンのみで生きるにあらず」との言葉がある。
では、人にとって大事なこととは何か?
はやぶさが最後の力を振り絞って撮った、最後の一枚にその答えがあるような気がする。
きっと、見る人にとって駆り立てる何かが内在していることだろう。
そう自分は信じたい。
前の1件 | -